• 写真家の視点から見た

    被写体の技術

    プロのカメラマンだからといって誰もがモデルのような写真に仕上げてくれるわけではない。いい写真は、カメラマンの技術+被写体の技術が合わさって、初めて完成するのだ。そこで、素人でもプロのモデルのように撮影してもらうための「被写体の技術」を写真家の曽田啓之氏に教えていただいた。
    取材協力・写真提供/SODA PLAZA

     


    写真家の視点から見た被写体の技術撮りたい写真のイメージを共有する

    ポートレートを撮りたいと思った時、どんな写真をイメージしただろうか。もし「プロのカメラマンに任せておけば安心」と思っていたら、きっといつものスナップ写真とあまり変わらないものができるだろう。いくらプロといえどもモデル自身が自発的にイマジネーションを発信しない限り、良い作品は生まれないのだ。「ポートレートで何を表現したいのか、伝えたいのかを明確にしてカメラマンに伝えることが大事です」と教えてくれたのはプロからアマチュアまで数多くのポートレートを撮り続けてきた写真家の曽田啓之氏。例えば昼間のニューヨーク。高層ビルで男性役員相手にプレゼンしている緊張した姿。または休日の朝、窓辺で光を浴びてくつろいでいる、など場所や状況を設定すると全体像が決まりやすい。「イメージが固まったら次はできるだけ明確にカメラマンやヘアメイクアーティストに伝えます。3人がイメージを共有することで初めて撮りたい写真に向けてのアプローチが始まるんです」。

     

    撮影目的に合わせて目指す人物像を明確にする
    写真家の視点から見た被写体の技術一見、婚活写真、エグゼクティブポートレート、受験用写真、モデルやタレントの宣材写真は別ジャンルと思いがちだが自分をプロデュース、プロモートするという意味で根本は同じ。被写体は事前に撮影主旨を明確にするために自分の強みを見つけて、誰からどんな風に見られたいのかを想像して、人物像を固めていく。婚活写真ならどんな相手に好かれたいのか、そのためにはどんな面を表現したらいいか? エグゼクティブポートレートなら顧客層は誰で、自分のどんな面(専門性や誠実さ等)を強調すべきか? モデルやタレントの宣材写真は自分が目指す役柄、キャラクター、方向性をぶれずに表わす、と考えていけばイメージ(風合いや雰囲気)は決めやすい。人物像が明確になったら次はスタイリング(衣装や小物、ヘアメイク等)でビジュアル化していく。衣装は2~3着持参した上で、カメラマンやヘアメイクアーティストと打ち合わせを行い理想の人物像に近づけていく。そこで専門的なアドバイスをもらえれば、なお良い仕上がりになるだろう。そういう意味ではスタジオやカメラマンをきちんと選ぶのも被写体の技術ということになる。

    写真家の視点から見た被写体の技術 撮影ポイント1

     

    ポーズや表情は、お手本の真似をしない
    ここで注意したいのはポートレートイメージを考える際に雑誌やウェブの写真を真似しないこと。「こんな感じにしたい」と思った瞬間、表情やポーズはお手本に囚われてしまい、不自然でぎこちなくなってしまうからだ。本来、表情やポーズは自発的に出るもの。それを裏付けるのが撮影ポイント①に書かれていることなのだ。

     

    成功体験を思い出し、自信のある笑顔へ
    撮影に入ったら撮影ポイント①を恥ずかしがらずにやり遂げることが重要だ。自信がなければ背筋は曲がり、表情もオドオドしてくる。すると写真が中途半端な印象になってしまうのだ。まずは自信を持つこと。すると眼力が強くなり、ポジティブなエネルギーが写真に現れる。まずは専門的(得意)分野や成功体験を撮影中に話してみたり、思い浮かべると不思議と表情が堂々としてくる。さらにポーズをとる時は重心を後ろ足にかけること。すると体が安定して上半身の動きがしなやかになり、写真も立体的になる。これは上半身のみの撮影でも共通する。

    写真家の視点から見た被写体の技術 撮影ポイント2

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